Blender基礎最速マスター

2012年07月17日

このページの内容はBlender 2.69(2013年10月リリース)に基づいています。

Blenderはオープンソースの3DCGソフトウェアです。モデリング・レンダリング・アニメーション一通りをこの1本でこなすことができ、高価な市販ソフトにも負けない機能を持っています。デモリールの動画を見ると実力のほどがうかがえると思います(もちろん、自分でこうしたCGが作れるかどうかは別問題ですが……)。

最近ではゲームエンジンUnityでゲーム制作をするときに連携するソフトとしてもしばしば名前が挙がっています。

Blender 2.5では大がかりなリニューアルが行われ、見た目にもかっこよくなりました。今勢いのあるフリーソフトのひとつです。

ただ、このソフト、控えめに言ってもとっつきにくいところがあります。とっつきにくいどころか、UIが変態だという声が多数あります(笑)。そこで、Blenderの導入にあたっておそらく多くの人が最初につまずくところを回避しつつ、短時間でとりあえず使えるようになるためのチュートリアルを書いてみました。入門以前の内容です。

インストール

Blenderの最新版を公式サイトのダウンロードページからダウンロードしてインストールしてください。

レンダリング

3DCGソフトを触るからには、まず何はともあれレンダリングしてみたいですよね。早速やってみましょう。

Blenderを起動するとスプラッシュスクリーンが表示されます。適当な場所をクリックして閉じたら、F12キーを押してみてください。立方体がレンダリングされます。他の方法としては、左上のメニューに Render > Render Image というのがあります。「F12」の表示があるのがわかるでしょうか?

さて、立方体が無事にレンダリングされたと思いますが、この画面を閉じるにはどうすればいいのでしょうか。答えはF11キーです。さきほどのRenderメニューにも、Show/Hide Render View というのがあるのが確認できると思います。

レンダリングはF12→F11です。まずこれを覚えてください。なお、ESCキーでレンダリングを中断することもできます。

レンダリング結果を画像ファイルとして保存するには、F12でレンダリングした後にF3です。メニューとしては、左下のほうにある Image > Save As Image を実行しています。見慣れないファイル保存画面が画面いっぱいに表示されてぎょっとすると思いますが、こういうものだと受け入れてください。Blenderに限らず、3Dソフトはこうした特殊なユーザーインターフェースを採用していることが多いです。作業内容が複雑だったり、いろんなOSに対応する必要があったりと、それなりのわけがあります。

右上にある Save As Image ボタンで画像を保存します。CancelボタンまたはESCキーでファイル保存画面を閉じます。

こうして作成した立方体のCGはあなたのものです。今すぐウェブサイトや絵や文書に貼りつけたりして、自由に使うことができます(まあ、使わないと思いますけど……)。なお、ファイル保存画面を閉じて、右側のRenderパネルの下のほうにある「RGB」を「RGBA」にすると、背景を透明にして書き出すことができます。

オブジェクトの選択

3D空間内にさきほどレンダリングした立方体やカメラらしきものが表示されています。これを選択して動かしたり、エディットしたりするのだろうと当然考えますよね。

ところが、オブジェクトを必死で左クリックしても、変なターゲットマーカーみたいなものが動くだけで何も起きる様子がありません。おそらく多くの人がBlenderを早々にあきらめてしまうポイントのひとつなのではないでしょうか。

なんとこのソフト、選択は「右クリック」なのです(変態!変態!変態!変態!)。

設定で左クリックに変えられますので、変えてしまいましょう。

もちろん右クリックのままで使ってもいいのですが、慣れるのに時間がかかりますし、また、右クリックに慣れたら慣れたで、他の3Dソフトでもうっかり右クリックで選択してしまうという弊害が出たりします(実際に出ました)。副作用もあまりないので変えてしまって大丈夫です。個人的には、ノートPCのタッチパッドでの操作や、ペンタブレットでのモデリングを考えても標準的な左クリックをデフォルト設定にしたほうがいいのではと思うのですが……。ちなみに、やはりそういう提案があるようです(New User Experience)。

変更の仕方ですが、左上の File > User Preferences... で環境設定のウィンドウが開きます。

上のInputタブを選択して、Select With: のLeftをクリックします。左下の Save User Settings を押すと設定が保存されます。

設定を変更したら、左クリックで選択したり、ドラッグで動かせることを確認してみましょう。

立方体を選択してTabキーを押すとポリゴンを直接編集するモードに切り替わります。もう一度Tabキーを押すと元に戻ります。左のサイドバーや下のツールバーが切り替わりますので、何度か繰り返し押して確かめてみてください。これらのツールを使ってオブジェクトやポリゴンへの操作を行うことになります。

また、Aキーで全選択および選択解除ができます。Ctrl+Aではないこと、選択の解除にも用いることに注意してください。

一般的なソフトでは、何もないところをクリックすると選択が解除されますが、Blenderでは解除されません。これにはメリットもあって、複雑な選択をするときにクリックをミスして解除してしまうことがないようになっています。

3D空間のナビゲーション

視点を動かすにはマウスの中ボタンとShiftキーを使います(MacBookの場合は下の枠内をご覧ください)。以下の操作を試してみてください。

マウス操作 動作
中ドラッグ 回転
Shift+中ドラッグ 移動
ホイール 拡大・縮小

また、テンキーのピリオドで、選択したオブジェクトやポリゴンや頂点にフォーカスします。これによって回転や拡大・縮小の基準点も変わるので重要な操作です。カメラ、立方体それぞれを選択してピリオドキーを押し、中ドラッグで回してみてください。

テンキーの1、3、7キーでそれぞれ前面、側面、上面からの視点に切り替えられます(Shiftを押しながらで反対側からになります)。5キーで遠近感の有無を切り替えられます。なお、これらのキーは3D空間のウィンドウにマウスカーソルが乗っていないと効きません。

操作の流れをおおまかにまとめると、オブジェクトを選択してピリオドキーでフォーカスし、マウスの中ボタンや数字キーで視点を変更、Tabキーでモデリングに入るという感じになります。

カメラの方向・位置を調整する

テンキーの0を押すとカメラからの視点に切り替わります。もう一度押すと元に戻ります。

ここで、もうひとつのナビゲーション手段である Fly Navigation を使ってカメラアングルを調整してみましょう。この機能は非常によく使います。

テンキー0でカメラ視点にしたら、Shift+Fで Fly Navigation を開始させます。マウスカーソルを上下左右に動かすとカメラの向きが変わります。左クリックまたはスペースキーで確定、右クリックまたはEscキーでキャンセルです。

また、Fly Navigation という名前だけあって、空を飛ぶような動きができます。Shift+Fを押したら、W/A/S/Dキーで前後左右に移動します。FPS等のゲームでおなじみのキーですね。RとFで上下に移動することもできます。これらのキーには慣性がついていて、押しつづけるとすごい勢いで加速していってしまうので、慣れるまでちょっと大変かもしれません。広大なシーンを移動するときにはこのほうが便利ということでこうなっているようです。

いいアングルになったと思ったら、F12キーでレンダリングしてみてください。F11で元に戻ります。

Fly Navigation はもちろんカメラ視点でなくても使えます。Blenderの3D空間を移動する、もうひとつの便利で楽しい手段です。

ここまでのまとめ

ここまでに説明した操作をまとめると以下のとおりです。よければコピーして持って行ってください。

レンダリング                    F12→F11、F3で画像を保存

中ドラッグ                      回転
Shift+中ドラッグ               移動
ホイール                        拡大・縮小

テンキーのピリオド              フォーカス(★重要★)
テンキー1                      フロントビュー(Shiftを押しながらで反対側から)
テンキー3                      サイドビュー
テンキー7                      トップビュー
テンキー5                      透視投影と平行投影の切り替え

テンキー0                      カメラ視点

Shift+F                         Fly Navigation
        W/A/S/D                 前後左右に加速
        R/F                     上下に加速
        左クリック/Space       確定
        右クリック/Esc         キャンセル

Tab                             Object Mode/Edit Mode切り替え
A                              すべて選択・選択解除

この先は?

さて、レンダリングとナビゲーションの仕方がわかりました。大きなハマりポイントもクリアしましたので、これでBlenderを使えるようになったも同然! なのではないでしょうか。もう何も恐くない、ですね(えっ……)。あとは、やりたいことに応じて公式サイトや日本語のユーザーサイト、書籍などを調べていけばいいのではと思います。

ちなみに、Blender 2.49以前と2.5以降では操作がまったく違います。そのため、仕方がないことなのですが、今ウェブで検索すると2.49以前の情報がたくさん出てきて混乱してしまうようなところがあります。ウェブよりも、2.5以降に対応している解説書に当たったほうがスムーズに取り組めるのではと思います。

すでに良い本がたくさんありますが、個人的に現時点でおすすめの一冊は「キャラクターをつくろう! 3DCG日和。 vol.3」です。実際のフィギュアモデルの制作を通して、ボーンアニメーションなど一通り解説されています。また、日本語のリファレンスになる本としては「Blender2.6マスターブック」が出ています。

あと、もしいくらかCGの知識があれば、まずUIを全部触ってみるのがいいかと思います。例えば左上からFileメニュー、Addメニュー、Renderメニュー、Helpメニューと開いていって、項目をひとつひとつ読んで使えそうなら使ってみたり、ボタン類も片っ端からクリックしてみるのです。わからないものは適当にスルーして、おかしなことになったら再起動すれば大丈夫です。目的はとにかくソフトの全体像を把握することです。1時間もかからないと思います。

一通り触ってみれば、どこに何があるのか、どんなことができるソフトなのか、「だいたいわかった」という気分になって、抵抗感がなくなります。Blenderに限らず、GUIアプリケーション全般の導入におすすめの方法です。

お得な情報

CGのレンダリングはとても重たい処理です。パラメーターや設定をちょっと変更するたびに画面全体をレンダリングし直していては、Blenderの機能を試すにも、制作時に試行錯誤するにも、時間がかかってしょうがありません。そこで、部分レンダリングを知っておくと便利です。テンキー0でカメラ視点にして、Shift+Bを押し、レンダリングしたい場所をドラッグで選択してください。F12を押すと、選択した範囲のみがレンダリングされます。

再度画面全体をレンダリングしたい場合は、右側のRenderパネルの「Border」のチェックをはずすか、Shift+Bでフレーム全体を囲んでください。

おまけ

オリジナルの自動車を制作中の図。モデリング楽しいです。

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