VR刺身タンポポ元年

2016年12月25日

Oculus Rift Advent Calendar 2016の25日目の記事です。雑多な近況とか振り返りとか。表のブログに書く内容としてはやや唐突かもしれませんが、すみません。

まず、「VR刺身タンポポ」の実行ファイルを本日公開しました。Oculus RiftとTouch専用ソフトなので、遊べる方少ないと思いますがごめんなさいです。

これは先月のデジゲー博2016で展示したもので、あまり説明は要らないと思うんですけどw、流れてくる刺身の上にタンポポ(本当は菊)を載せるだけの簡単なお仕事です。

実はOculus VR社からTouchの開発者向けサンプルを発売前にお貸しいただいていたので、Oculus Store向けにきちんとしたTouch用ゲームを作って、そのデモをデジゲー博で展示するという完璧なプランを立ててたんですが、2週間前までまったく何もしてなかったので、急遽題材を刺身タンポポに変えて5日ほどででっち上げました。ネタとしてわりと好評だったので、結果的にはこっちでよかったです(貴重な開発機を提供してもらってネタゲー展示しただけとかどうよって気もしますが、気にしないことに……)。タンポポが手抜きの板ポリだったり、絵面がなんか渋かったり、物理挙動が怪しかったりと超未完成品ですが、もしかしたらOculus Storeリリースするかもって感じで手を入れていきたいです。

*

お仕事のほうでは、渋谷のアドアーズにVR PARK TOKYOというVRアミューズメント施設ができまして、そのうちのアトラクションの一つ「ソロモン・カーペット」を株式会社ハシラスで制作しました。2人同時プレイのガンシューティングですが、アクチュエータで傾く約2×3メートルの魔法の絨毯を模した大型可動ベースの上を、バックパックPCを背負ってケーブルなしで歩きまわれるようになっています。ルームスケールVR+ライドVRというわけのわからないやつで、他にあまり類を見ないVR体験ができますので、機会があったら遊びに行ってみてください。

自分はUnityでのソフトウェア側の実装のメインを担当しました。オープン直前まで、初めて使うUNetのネットワーク同期が上手く動かなかったり、Unity 5.5の謎のクラッシュバグを踏んだり、機材が不具合で落ちまくったり、また筐体の方でもいろいろあったようなんですが、なんとか稼働開始してよかったです。

*

さて、今年はOculus RiftもHTC ViveもPlayStation VRも発売されて、VR元年とか言われてましたけど、どうなんでしょうね。立場的に語りづらいんですが、VR単体できちんとビジネスになっている話というのは自分の観測範囲では今なおほとんど聞かない気がします。先行投資でやってみるとか、宣伝になるからやってみるとか、そんな感じでしょうか。

僕個人としては、VR開発自体がとても面白いので、言い方は悪いですけど、VRが商売になりにくいのはなんとかごまかしつつ、自分がやりたいことを続けられる状況を作りキープしようとしている、という感覚がまだだいぶ強いです。そのあたりちょっとした罪悪感みたいなのがあって、折り合いのつけ方が難しいですね。

ハシラスも、今はVRアトラクションを制作して納入する、いわゆるロケーションベースという形態ですけど、それにこだわることは全然ないと思いますし、会社としてもこだわってないので、制作のかたわら、来年どうすればいいか、再来年どうすればいいかを技術面から都度しっかり考えていかないといけないのかなと思います(一応それっぽい肩書きなので……)。

それにしても、自分はもともとは大阪でFlashやスマホアプリを作ったり、趣味でゲームを作ったりしていて、ディスプレイの向こう側にしか興味がないという感じの人間だったんですが、2013年にOculus Rift DK1が届いたときにすべてが変わった感じです。正直、ジェットコースターとかその他デモを一通り見たところまではふーんって感じだったんですが、Unityでシーンにキューブを置いて、次に自動車を置いて、VR空間でドライバーシートに座った瞬間に起きたのは一種の不可逆な変化だったように記憶しています。

以後、VR作品を作って頻繁にイベントで展示したりするようになったのですが、それをきっかけに知り合った方々は、皆それぞれ分野横断的に特殊な能力を持った方々ばかりで、やろうと思えばこんなこともできるんだとか、こんなことをしてもいいんだとか、お付き合いしていく中で影響されて自分の活動限界がどんどん拡張されてきた感じがします。結果として、3年後の今、本業としてVRにフルコミットしているなんて想像もできませんでした。

特に2014年にGOROmanさんの会社に遊びに行ったとき、当時はまだ誰が誰かよく分からなくて、あとで写真を見て気づいたりとかもしたんですが、あの場には本当に只者じゃない方々ばかり集まってたんだなと改めて実感しています。

VRが世の中を変えるかどうかはまだ分かりませんが、少なくとも僕や僕の人生は変えてくれたといっていいんじゃないでしょうか。実は僕は前回のVRブームについてはよく知らず(パソコン雑誌の記事などが目に留まっていたとは思いますが)、ある意味新参者なのですが、VRブームが今ふたたびやってきて、それにささやかながら携われている幸運と、主にTwitterのOculusクラスタの皆様に改めて深く感謝したい気持ちです。

2016年は、世間的にはともかく自分的には立派にVR元年だったかなと思います。これでおしまいということになったらかっこ悪いので、お仕事のほうも個人活動のほうも、来年以降も持続できるようによくよく考えていきたいです。プランはあります(完璧なやつが)。今後ともよろしくお願いいたします!

あと、来年はもうちょっと遊びたいですねw インプットは重要ですよ。

*

おまけのトピック。上京以後体重がめっちゃ増えたんですが、減量してなんとか元の水準まで戻ってきました。めでたい。

(書いた人:こりん

ブログトップへ