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Oculus Riftについて

最終更新日:2016年11月24日

Oculus Riftの概要および使用上のTipsをまとめています。

更新履歴

(2016年11月24日)「スピーカーなどWindows標準の音声出力で音を出すには」を追加
(2016年11月16日)OculusソフトウェアからOculusアプリに記述を変更、「Oculusアプリのバージョンを確認するには?」を追加
(2016年11月10日)セットアップのDK2の解説をDK2のページに移動
(2016年8月15日)「Unity+Oculus Rift開発メモ」からページ分離 

目次


Oculus Riftについて

Oculus Riftって何?

Oculus Rift(オキュラス・リフト)は、Oculus VR社から販売されているバーチャルリアリティ用ヘッドセットです。比較的広視野な立体視が可能で、かつ、頭を動かして周囲を見回すことができるため、CGの世界に本当に入り込んだような体験ができるのが特徴です。適切に調整すれば、空間内の物体が現実と同じサイズ・同じ場所に見えて、手を伸ばせば触れそうに感じられます。  

Kickstarterでの資金調達ののち、二世代の開発者用キット(DK1、DK2)が販売されていましたが、2016年1月より製品版の販売が公式サイトで開始されています。価格は税・送料込みで94600円になっています。製品版でも開発が可能です。

Oculusはラテン語由来で目の意味です。Riftは裂け目で、現実とバーチャル空間の裂け目というようなニュアンスがあるようです。

どういう仕組みなの?

ヘッドセットの中に1080×1200×2枚の有機ELディスプレイパネルがあり、PCでレンダリングした左右両眼の画像を樽型に圧縮したものが表示されます。これをレンズを通して見ることで、パネルのサイズよりも広い視野角(約90~110度)の立体視ができるようになっています。

また、内蔵の各種センサーと外部に設置する位置トラッキングカメラにより頭の向きと位置が取得され、レンダリング時の視点の位置に反映されます。位置トラッキングカメラは赤外線カメラで、ヘッドセットの外装に埋め込まれた不可視の赤外線LED群から位置を推定しています。

PCからヘッドセットへはHDMIで映像を出力します。OSには通常のディスプレイとしては認識されず、GPUドライバから映像が直接出力されます。また、トラッキングデータの取得のためヘッドセットと位置トラッキングカメラをそれぞれUSB 3.0で接続します。

まとめると、PCとの接続は、ヘッドセットのHDMI端子×1とUSB 3.0端子×1および位置トラッキングカメラのUSB 3.0端子×1になります。

一般的なPCやスマートフォンでは、キーボードやタッチ等の入力からディスプレイの表示が更新されるまで50~100ミリ秒ほどのタイムラグがあるのですが、Oculus Riftでは頭の動きからパネルの画素が変化するまでの遅延(motion-to-photonと言っています)が20ミリ秒程度と非常に高速です。ディスプレイのリフレッシュレートが90Hzと通常より高くなっているほか、レンダリング後の各フレームを最新のトラッキング情報に合わせて補正するタイムワープ等、視界を頭の動きと一致させるためのさまざまな工夫が行われています。

問題点はないの?

大きな問題として、VR酔いという乗り物酔いと同じような症状がしばしば発生します。酔いを引き起こす最大の原因は、頭や身体の動きと目で見ている光景のずれ(感覚の不一致)だとされています。Oculus Riftではずれを抑えるさまざまな工夫によってVR酔いをかなり低減できていますが、PCのセットアップや、ソフトの作り方が重要になります。

特にフレームレートの確保が必須で、左右両画面を常時最大フレームレート(90fps)で描画するために高性能なゲーミングPCが必要です。2016年現在では、ハイエンドクラスのGeForceやRadeonが必要になります。詳しくは「HTC Vive/Oculus Rift用PCの選びかた」を参照してください。

また、フレームレートが確保されていても、視点を通常の3Dゲームのように不用意に動かすと酔うため、酔いにくい動かし方をする制作上のノウハウが必要になります。

あと、視野はかなり広いのですが、十分に広いとは言えないかもしれません。現実世界でゴーグルを装着しているような感じです。解像度も広い視野を覆うのに十分ではなく、シーンによってはジャギーが目立つほか、ピクセルの境界で若干網目模様が見えます(網戸効果=screen door effect)。

また、多少重かったり、暑いと汗でレンズが曇ったりします。また、大きいメガネや幅広のメガネが入りません。

他には、必然的に、ヘッドセットを装着すると手元のキーボードやマウス、ゲームコントローラーなどが見えません。周囲が見えないため安全面の問題も生じます。また、VR空間内では自分の手が見えなかったり、身体を動かすと物体をすり抜けてしまったりします。こうした制約をコンテンツや運用でどうカバーするかが鍵になりそうです。 

メガネをかけていても大丈夫?

大きいメガネや幅広のメガネは入りません。小さめのメガネなら入るので、メガネを買い換えるか、コンタクトレンズをすることになるかと思います。実機で一度メガネが入るか確認してみることをおすすめします。なお、開発キットのDK1とDK2では近視用の数種類の交換レンズが付属していましたが、製品版ではレンズの交換はなくなっています。

Oculus VRのサポートページにヘッドセットに入るメガネのサイズは?という項目がありますが、幅14.2cm以下、高さ5cm以下となっています。形状にもよりますが、実際これくらいの数字のようです。

ちなみに、PlayStation VRはメガネが入りやすいです。また、Gear VRもメガネが入りやすいほか、上部ダイヤルで視力にあわせて度を調整できるようになっています。HTC Viveは外周スポンジにメガネのツルのための切れ込みが入っていて、PlayStation VRやGear VRほどではありませんが、Oculus Riftよりも若干余裕があります。

その他の仕様・特徴について


セットアップ編

セットアップするには

まず、ビデオカードのドライバをOculusアプリ対応の新しいバージョンに更新します。NVIDIAの場合、GeForce Experienceで「更新プログラムの確認」をして、ドライババージョン364.72以降をインストールします。RadeonはCrimson Edition 16.3.2以降で対応しているとのことです。Oculus VRのサポートページにドライバの案内があります。

Oculus Rift Setupからセットアップツールをダウンロードして実行します。なお、McAfeeなどのアンチウイルスソフトが有効になっているとインストールできないことがあるようです。

デフォルトではストアで購入したアプリは全部Cドライブに保存されます。数十GBあるゲームもあるので、Cドライブの空き容量がない場合はフォルダを変更してください(あとで変更できません。アンインストールして再セットアップする必要があります)。

途中でOculusのアカウントがない場合は作成します。

Oculus Rift、Oculus Remote、Xbox Oneコントローラなどの接続設定が出てきますので、指示に従います。

Oculusアプリを実行するとストアのウィンドウが開きます。同時に、Rift側にOculus Homeが起動し、Rift単独でアプリの購入や実行ができます。

Windows 10でも大丈夫?

対応しています。Windows 10は64ビット版が必要です。

Oculus Store以外から入手したアプリを動かすには

Oculus Store以外から入手したソフト(いわゆる野良アプリ)や自作のソフトをOculus Riftで動かすには、Oculusアプリの設定を変更する必要があります。

Oculusアプリを起動して右上の歯車アイコンをクリック、Settingsを選択、左のGeneralを選択してUnknown Sourcesをオンにしてください。

Oculusアプリのバージョンを確認するには?

Oculusアプリの右上の歯車からSettingsをクリックして、Generalタブを開き下にスクロールすると「Oculus App Version」が表示されています。

スピーカーなどWindows標準の音声出力で音を出すには

デフォルトでは、Oculus Rift対応ソフトの音声はRift備え付けのヘッドホンから出力されるようになっています。Windows標準の音声出力に変更するには、OculusアプリのDevicesのRiftでVR Audio OutputをWindows defaultに変更してください。Riftのボリュームもここで調整できます。

「HEALTH & SAFETY WARNING」の警告メッセージはなくせないの?

DK2では消せたのですが、製品版のOculusアプリでは消せないようです。ただ、起動して一度消すと再表示されなくなるようですので、あまり邪魔になることはないかもしれません。


開発編

Oculus Rift対応ソフトの配布方法は?

Oculus VR公式のOculus Storeで販売することができます(アプリ審査あり。結構厳しいようです)。また、Oculus Storeのアプリのキーをストア以外の場所でも販売できるようです。その際、ロイヤルティはかからないようです。

また、通常のWindowsアプリケーションと同じように、実行ファイルをウェブサイトで公開したり、配布・販売することもできます。この場合、ユーザーに上記のUnknown Sourcesの設定をオンにしてもらう必要がありますので注意してください。

なお、DK1、DK2の頃はOculus Shareという公式ポータルサイトがありましたが、製品版の発売に伴い公開終了になりました。

また、SteamではOculus Riftに対応しているゲームに「VR サポート」というタグがついていますが、対応状況や起動方法がまちまちのようです(要調査)。

Oculus Rift対応ソフトを開発するには?

ゲームエンジンのUnityUnreal Engineが標準でOculus Riftをサポートしています。ネイティブのSDKや他の対応ゲームエンジンもありますが、現時点では、Oculus Rift対応ソフトのほぼすべてがUnityかUnreal Engineで作られています。

具体的な開発方法については、以下の各ページを参照してください。


その他

ダウンロードしたソフトが動かないんだけど?

上記のUnknown Sourcesの設定がオンになっているかを確認してください。

また、過去の開発キットであるOculus Rift DK1/DK2向けにビルドされたアプリケーションは、製品版のOculus Riftおよび新しいOculusアプリでは動作しません。製品版のOculus Rift向けにビルドされたものを探してみてください。

その他のTips

Oculusアプリをセットアップすれば、以後ドライバ・ランタイムは自動アップデートされます。

PC側のOculusアプリはElectron製、Rift側のOculus HomeはUnity製のようです。

書いた人:こりん(@k0rin
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