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HTC Viveについて

最終更新日:2016年11月03日

HTC Viveの概要および使用・運用上のTipsをまとめています。

更新履歴

(2016年11月3日)「セットアップの途中でログインできない場合」を追加、「Lighthouseについて」を更新
(2016年10月2日)「シャペロン境界を消すには」を追加 
(2016年9月1日)「SteamVRのリリースノートはどこ?」を追加
(2016年8月30日)「ベータ版のSteamVRを使うには?」に更新内容が公開されている場所について追記
(2016年8月16日)「グリーンバック合成映像を撮影するには?」を追加

目次


HTC Viveについて

HTC Viveって何?

HTC Vive(エイチティーシー・バイブ)は、台湾HTC社が販売しているVRヘッドセットです。2016年4月5日に製品版が発売されました。公式サイトから税込10万7800円(送料別)で購入できるほか、2016年7月7日より全国各地のPCショップで店頭販売が始まっています。

Oculus Riftの競合機ですが、最大4×3メートルの部屋サイズのプレイエリアを想定していること(着席状態で遊べるゲームも多くあります)、2本のモーションコントローラが標準で付属していることが大きな特徴です。

ソフトウェア面についてはValve社がサポートを行っており、Steamで対応ゲーム等を購入できます。

HTC Vive自体については以下の記事が詳しいです。

また、体験者とVR空間の映像をグリーンバックで合成したイメージ映像があり、雰囲気がつかめるかと思います。

製品マニュアルが日本語で閲覧できます。

PC環境について

HTC Viveを使用したり、対応ソフトを開発するには、高性能なGPUを搭載したWindows PCが必要です。詳しくは、「HTC Vive/Oculus Rift用PCの選びかた」を参照してください。

部屋環境について

HTC Viveにはルームスケールと着席モードのプレイモードがあり、最低2×1.5メートルの空間がないとルームスケールで実行できません。ただ、ルームスケールで実行できなくても着席モードで遊べるゲームがいくらかあります。


セットアップ編

Vive Setupをダウンロードして実行します。ハードウェアの接続なども含め、セットアップソフトウェアが親切なので、ガイドに従っていれば大丈夫だと思います。詰まったら4Gamer等に詳しい記事がありますので、参考にするといいかと思います。

インストールにはネットワーク接続が必要で、合計1.5GBほどのダウンロードが必要になります。

ヘッドセットやモーションコントローラのファームウェアをアップデートする必要がある場合があります。USBで接続してSteamVRソフトウェアで更新できます。モーションコントローラのペアリングもあわせて行います。

セットアップの途中でログインできない場合

Vive Setupのセットアップ中にログインができずインストールできない場合があります。Steamをインストールして、SteamからSteamVRをインストールしても使用できますので、こちらを試してみてください。


開発編

HTC Vive対応ソフトの配布方法は?

HTC Vive対応ソフトはSteamで販売することができます(審査あり)。また、通常のWindowsアプリケーションと同じように、実行ファイルをウェブサイトで公開したり、配布・販売することもできます。

HTC Vive対応ソフトを開発するには?

ゲームエンジンのUnityUnreal EngineがHTC Viveをサポートしています。どちらも無料で使用できます。現時点では、HTC Vive対応ソフトのほとんどがUnityかUnreal Engineで作られています。

具体的な開発方法については、以下の各ページを参照してください。


Lighthouseについて

ルームセットアップはViveコントローラ1本だけで可能です。立位のみのキャリブレーションはViveコントローラなしでも可能ですが、ダッシュボードが開けないのでどうしても1本は必要なようです。

ルームセットアップでは部屋の端に沿ってコントローラを動かしますが、安全そうなら「詳細モード」(部屋の四隅でトリガーを引く)のほうが速いです。

HTC ViveはLighthouseというテクノロジーで位置トラッキングをしています。ベースステーションはその名の通り灯台(lighthouse)の役目を果たし、赤外線を一定パターンで部屋中に照射して、それをヘッドセットやViveコントローラの多数うのセンサーで拾うタイミングで位置と姿勢を推定するようになっています。つまり、トラッキングにはヘッドセットやViveコントローラのセンサーからベースステーションが見えている必要があります。

ベースステーションは、全灯をフラッシュしたのちレーザーを縦横にスキャンするというパターンを高速に繰り返します。赤外線の照射がどのように行われているかを示すイメージ動画があります。

ベースステーションは、2台を部屋の端と端に配置することになっていますが、1つだけを正面に置くといった使い方も可能です。もちろんベースステーションが物や身体に隠れるとトラッキングが切れるので注意です。

ベースステーション2台のチャンネルは、同期ケーブルで接続しない場合はBとCに、接続する場合はAとBにします。ベースステーション1台の場合はAにします。

同期ケーブルを使わない場合、2台のベースステーションの直線間に物体(または人体)があると同期が途切れトラッキングできなくなります。ベースステーションを高い場所から見下ろすように配置するか、同期ケーブルで接続します。

ベースステーションを設置するためのスタンドにはカメラ用やライト用の三脚などが使用できます。ベースステーションはモーターで振動し、またそばを歩くと揺れたりするため、安定度のやや高めのものを使ったほうがいいようです。

複数のHTC Vive・ベースステーションのセットを使用するときは要注意です。ヘッドセットやViveコントローラが無関係なベースステーションの赤外線を拾うとトラッキングが乱れてしまいます。展示会などでこの問題によるトラブルが多発しています。ベースステーションの配置に気をつける、黒いパーティションで区切る、ベースステーションをカバーで覆って照射範囲を狭める、高い場所から見下ろすような配置にする、ベースステーションを複数のHTC Viveで共有するといった対策が必要です。ベースステーションの赤外線はかなり広い角度で照射され、金属などで反射することもあるため、注意が必要です。

ベースステーションの電源がオンになっていると、赤外線を使用する家電等のリモコンが効きにくくなったりするようです。


SteamVRについて

SteamVRのリリースノートはどこ?

このページで安定版の更新内容(SteamVR Updated)とベータ版の更新内容(SteamVR Beta Updated)が公開されています。

ベータ版のSteamVRを使うには?

SteamVRはベータ版で先行して不具合の修正などが行われています。ベータ版のSteamVRを使用するには、Steamを起動して、「ライブラリ」タブのSteamVRで右クリックしてプロパティを開き、「ベータ」タブの「参加希望のベータを選択してください」を「beta - SteamVR Beta Update」に変更してください。SteamVRを終了すると、ダウンロードとインストールが開始されます。

Steamを起動せずSteamVRを起動するには

vrmonitor.exeを直接起動すると、SteamへのログインやアップデートなしにSteamVRを即座に起動できます。

エクスプローラーでC:¥Windows¥Program Files (x86)¥Steamを開いて、右上の検索バーにvrmonitor.exeと入力してください。Altを押しながらデスクトップなどにドラッグするとショートカットが作られます。さらに、これをスタートアップに登録して自動起動することもできます。

または、SteamVRを一度(Steamと一緒に)起動して、タスクバーのSteamVRを右クリックして「タスク バーにピン留め」する方法もあります。

ダッシュボードが開かないようにするには

展示等で体験者が誤ってシステムボタンでダッシュボードを開かないように抑止できます。SteamVRのメニューの設定>開発者で「VR ダッシュボードを有効化」のチェックをオフにしてください。

または、上の項目で作成したvrmonitor.exeのショートカットのプロパティを開いて、リンク先に-nodashboardオプションをつけても無効化されます。

"C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SteamVR\tools\bin\win32\vrmonitor.exe" -nodashboard

のようになります。

シャペロン境界を消すには

トラッキング空間の端のほうに行くと出てくる水色の枠を「シャペロン境界」といいます。

体験者が壁などにぶつからないようにするためのものですが、展示などで、このシャペロン境界を完全に消したい場合があります。C:¥Program Files (x86)¥Steam¥config¥steamvr.vrsettingsを開いて、以下のような設定をしてください(カンマの有無等に注意してください)。

{
   "collisionBounds" : {
      "CollisionBoundsColorGammaA" : 0
   },
   ...

なお、SteamVRのダッシュボードの設定から「シャペロン」の設定を開いて「境界の不透明度」を操作すると、上記のCollisionBoundsColorGammaAの設定が書き込まれますので、その上で数値を書き換えると簡単です。ダッシュボードからでは数値が80までしか下がらないようになっています。

SteamVRの古いバージョンのアーカイブはないの?

残念ながらないようで、安定版かベータ版の二択のようです。展示等で安定動作が確認できているバージョンが使えないと困ることもあると思うのですが……。


その他

グリーンバック合成映像を撮影するには?

Unityで作られたHTC Vive用ソフトの多くで、以下のような、体験者が実際にVR空間内で楽しんているかのような映像を撮影することができます。

これについては、「HTC Viveでクロマキー合成映像を撮影するには」にまとめましたので参照してください。

その他のTips

SteamVRのメニューの「ディスプレイ ミラー」でヘッドセット内の画面をPCにミラー表示できます。

SteamVRの設定>パフォーマンス>「フレームタイミングを表示」で、フレームごとのCPU・GPUの処理時間のグラフを表示できます。解説がこちらのページにあります。

Viveコントローラのバッテリーの持続時間は約4~6時間とのことです(使用状況にもよると思いますが、実使用で4時間ほどでバッテリーが切れました)。終日の展示などではこまめに充電する必要があります。

Viveソフトウェアのセットアップには1.5GBほどのダウンロードを行います。ネットワーク接続のない場所での展示ではあらかじめインストールしておく必要があります。


参考リンク

書いた人:こりん(@k0rin
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